受験中によく読んだ詩やことば
たまたま以前の手帳での記述を探すために、昔の手帳を取り出したところ、そこに挟んでであった記事や詩のコピーが複数出てきた。
これらは、今から7年ぐらい前、東京で風呂無しの部屋で極貧生活をしながら受験していた頃に、受験に失敗した時、すごく落ち込み、人のせいに、環境のせいにして負けそうになる自分を叱咤激励するために、自分で自分の道を歩む!責任を取る!という、けじめの気持ちを持つために、お守りのように持っていた詩の数々。
この詩を今読むと、当時の悩み、これからの不安の気持ちが蘇る。あの時とことんまでやりつくしたから、受験に落ちてから再度受験してやりとげたから、今があるんだね。。。とこの7年間ずっと全速力で走ってきた自分を振り返る。
最近内省の日々で、これからの行くべき道で迷う日々だったが、視界がすーっと開けてきた。今このタイミングでこの詩と再会したことも絶妙のタイミング、何かの縁。ある時期には、振り返ってその当時と今の自分の違いや、希望の姿と現時点とのギャップなどを見直してみることも必要かも。7年前から、そういうことをする時間が取れなかったし、取ろうとも思わずに前だけ見て走り続けてきてしまった。今は振り返って内省して、今後の軌道を定めることの必要性が出てきた証拠。
私にっての心にきざまれた詩
千葉敦子 「人生に求めたものは」
新聞記者になりたいと思った
新聞記者になった
経済記事を日本語で書いた
経済記事を英語で書いた
ニュースを書いた
コラムを書いたプラハで恋をした
パリで恋を失った
リスボンでファドを聞いた
カルグリで金鉱の中を歩いた本を書きたいと思った
本を書いた
若い女性のために書いた
病んでいる人のために書いた
笑いながら書いた
歯をくいしばって書いたニューヨークに住みたいと思った
ニューヨークに住んだ
毎晩劇場に通った
毎日曜日祭りを見て歩いた
作家や演出家や画家に会った
明白な説明を受けて癌と闘った私が人生に求めたものは
みな得られたのだ
いつこの世を去ろうとも
悔いはひとつもない
ひとつも
千葉さんの詩は今読んでも泣けてくる。でも泣いてばかりは、千葉さんに怒られそう。憧れのいとこ(女性)からプレゼントされたのをきっかけに20代半ばに千葉さんの本を、数多く読んだ。私にとって目指すべき憧れの女性。私も後悔なんてひとつも無い人生を歩みたい。。。。
茨木のり子 「自分の感受性くらい」
ぱさぱさに乾いてゆく心を
ひとのせいにはするな
みずから水やりを怠っておいて気難かしくなってきたのを
友人のせいにはするな
しなやかさを失ったのはどちらなのか苛立つのを
近親のせいにはするな
なにもかも下手だったのはわたくし初心消えかかるのを
暮しのせいにはするな
そもそもが ひよわな志にすぎなかった駄目なことの一切を
時代のせいにはするな
わずかに光る尊厳の放棄自分の感受性くらい
自分で守れ
ばかものよ
この詩は、1998年9月21日に放送された「学校の挑戦」の最後の場面で、先生役の桜井幸子が生徒達へ読んだ詩。TVから聞こえてくるこの言葉の数々、心の震えが止まらなかった記憶がある。手帳から出てきたこの詩を手で書いた紙がいじらしい。
ところで、このドラマ「学校の挑戦」は、ヤンキー母校へ帰るの先生の母校でもあるんですね、知らなかった。